ドラマ『海のはじまり』ずっと凄いけれど、とりわけ昨日の6話が凄まじくて、翌日(今日)も引きずりまくって動けなくなってしまったので文章にして少しでもこの心に残る重みを解き放ちたい。
物語のあらすじやこれまでの脚本の凄すぎポイントを上げたらキリがないので、読んでくれてる人がこのドラマを見ている前提で、一番印象的だったことだけ綴る。
一度は人口妊娠中絶を決め、記入済みの同意書を持った水季が産婦人科の待合で手に取った「ご意見ノート」。そこに書かれた弥生の文章を読んだ水季は涙を流し、そして母親が書いた自分の母子手帳を読み、妊娠継続を決める。
こんな言い方は少し躊躇われるけど紛れもない事実なのは、「弥生が産まない決断をしたことが水季に産む決断をさせた」ということ。弥生が産まない決断をしたことでこの世に生まれた海という生命。弥生が産んでいたら、海はこの世にいない。海の長い髪を綺麗に編み込みする弥生。喜んで鏡を見にいく海。弥生と海の温かな関わり。そんなシーンを通して、「どちらを選択しても、それはあなたの幸せのためです。」というご意見ノートに綴られた過去の弥生の言葉が弥生自身にも向けられた言葉だと感じた。
自分がこの世に生まれてきた意味とか、自分の生命が求めてることが何なのかとか、この体験は自分にとってどんな意味があったのだろうとか、この人は自分にどう影響するのだろうとか、そういうことをよく考えてしまう自分にとって、このドラマはとても興味深くおもしろい。
生方美久さんはそういうテーマに興味がある人なのだろうなと推測する。
1話1話にずっしりと重みがあり、緻密な作りなので、翌日も引きずりがちだけど…。
ちなみに、個人の意見を病院側に向けて投函する「ご意見箱」はあっても、産む人、産まない人、産めない人、様々な状況の人が書ける、読めるノートが設置されている病院なんてあるのか?というか、あまり相応しくないのでは?とは思ったけど、そこは生方さんの手書きの文字・文章というモチーフへの愛故のこだわりなのかなと思う。(個人的には許せる範囲の脚色だと思いました。)
本当はもっと気軽に感想をポストしたいけど、テーマ的にも気軽にポストするのが憚られる、そして長文になるので久しぶりのブログでした。
余談だけど、先日行った念願の宇多田ヒカルのライブ(曲)も、最近ハマって見てたNetflixの恋愛リアリティショー『ボーイフレンド』も、どこか「生命」というテーマで通じている気がするよ。そういうものを求めているのだろうか。