明かりをつけたまま横になる

M-1グランプリ2021が終わってしまった。
本当に楽しい約2ヶ月間だった。
いや、1年間だった。

私が好きな漫才師オズワルドは、昨年優勝を逃した翌日、早々に今年のM-1に向けたネタ作りを始めていた。本当に変態だとつくづく思う。

昨年の決勝で、審査員が米中に見えちゃうくらい正反対に感じた審査コメント。
オズワルドはこの一年で、米中ではなくトムジェリだったと気づいた。
実はそこまで正反対な意見でもなく、紙一重なことを言っているのだと。
(具体的に今年どのような意識でネタを作ってきたのかは芸人雑誌vol.5や過去のニューラジオを参照してください)

そこに気づいた2人は、4月に行われた単独ライブの時点で完成度の高い漫才を6本作っていた。
その時点で、どのネタもおもしろくて、あーやっぱりオズワルドの漫才が好きだな、と思ったのを覚えている。

そこから、3回戦の動画を見るまでの間、生で見られたのは「オズワルドno収録」の1回のみだったけれど、たまに見る配信ライブやABCお笑いグランプリなどで、何度か今年の漫才を見ることができた。
決勝でやった「友達」も「割り込み」も、6月に生で見た時には単独の時とかなり違うものになっていた。そしてABCで見た時はまたさらに仕上がっていた。
テレビやラジオの仕事が増えていく中でも、まさに東京吉本の稼ぎ頭という勢いで劇場に立ち、ネタと向き合い続けてきたのが伝わる。

3回戦辺りからだったか、優勝候補と囁かれるようになり、「プレッシャー与えないで!」的なファンのツイートをよく目にしたけど、実は一番"優勝候補"を現実として感じていたのは確実にファンだった。
ずっと見てたら、そう思わざるを得ない。
だって凄かったもの。
この一年、実際の漫才も、纏う空気も。
(けどあまり知らない人にそれを言われるのはまた違うと思ってしまうのもきっとファンなら一致)

しかし、今年の結果は2位で終わった。

悔しかった。
優勝者が発表された時、しばらく真顔のまま、少ししてからツーっと涙が伝う悔し泣きをした。
切り離して考えれば、錦鯉の優勝はもちろん喜ばしい。
けど。全然、全然悔しい。


大会時のツイッターや自分の家族の反応を見ていて思ったことがある。

これはどのコンビにも言えることかもしれないけど、オズワルドの漫才は、彼らのラジオやニューラジオなどを毎週追っており2人の生態・人間性をよく知ってる人と、そうでない人では感じ方に差があるだろうなと。

もちろん、それなりに2人のキャラを知っていれば十分楽しめるのだけど、2人のことを知っていれば知っているほど、今年のオズワルドの漫才はリアルで違和感のないものとしてすんなりと受け入れられるような気がする。

というのも、普段2人がラジオでしている会話を少し凝縮して形を整えたら、それはもうオズワルドの漫才なのだ。
それもそのはず、オズワルドの漫才は、畠中さんがテーマをあげ、ボケを考え、それをおもしろいと感じれば伊藤さんがツッコミを考える、という作られ方をしている。
畠中さんが日頃感じたちょっとした疑問だったり妄想だったりを伊藤さんに投げかけ、それに対して伊藤さんがツッコむという形。

つい最近はラジオで、畠中さんが住んでみたい漢字について話していた。あとは数字ってそれぞれ自分の中で決まった色があるよねって話もしていた。
こんな話ばかりしてくれるラジオ、好きに決まってるんだけど、さらにそれに対する伊藤さんの反応もまた良いのだ。
どんな反応かというと、はじめは「またなんか言ってるよこいつ」みたいな反応なんだけど、漢字に関しては住みたい理由を聞いて納得していたし、数字は一緒になって自分なりのイメージする色を発表したり、畠中さんのイメージする色を見事に連続当てして、自分のことを「最高の相方じゃん」とか言っていた。
そう、いつも結局一緒になって楽しんでいる。
伊藤さんは畠中さんの持つ世界観の一番のファンなんだと思う。

漫才を見ていても、伊藤さんが畠中さんワールドに翻弄されつつも、途中から飲み込まれてることがよくある。オズワルドの漫才のそういう瞬間が大好物なのは、ラジオでのそういうトークが大好物なのときっと同じ感覚。

この"普段と漫才の違和感のなさ"に関しても、今年はより意識していたらしい。
ツイッターや身内の反応から感じた、普段からオズワルドを好んで追っている人とそうでない人の評価の差は、必ずしもファンであるが故の盲目的な視点だけが理由ではない気がしたのは、そんなことが関係してるのかもしれない。


決勝から2日経って少し冷静になった今、2周目を見て思った。(結局4日経ってしまった)
今年は優勝こそ逃したけど、あの1stステージでの会場のウケ、審査員の高得点、赤ちゃん松ちゃん(意:松ちゃんが赤ちゃんみたいに笑ってる顔を指し、M-1グランプリにおいて激アツとされている/起源:ニューヨーク屋敷)連発、審査コメント、、、あの瞬間、今年一年オズワルドのやってきた事が評価された!伝わった!やっぱりこれで合ってたんだ!と思えた。
2年前は優勝しにくいネタと囁かれていたのに、今年は1stステージ後、アナザーストーリーに優勝顔しちゃうくらいにもうあと一歩まできていた。

優勝できなかったショックで見逃しそうになっていたけど、これってかなりの成果で、実はめちゃくちゃ凄いことなんじゃない?もっと喜んで良いんじゃない?と、そう思った。


けど!!!!!
来年こそは。
2人が納得の優勝をできるその時まで見守っていきたいと思う。
来年はもう少し気持ちに余裕を持って応援できたら良いな、なんて100%不可能な願いを添えて、一旦やめさせてもらいます。

BIG PEACEしよーね✌️✨
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